新築マンションでは、修繕積立金が非常に安く設定されているケースが多く見受けられます。これもデベロッパーが早く完売させるための戦略の一つで、築浅のマンションはたいてい安い金額で、修繕積立金が設定されています。しかし、そういうマンションの長期修繕計画表を見ると、数年おきに修繕積立金の値上げが設定されていて、年を経るごとに二次曲線を描いて金額が上がっていく計画になっています。新築時の安い修繕積立金の設定では、大規模修繕工事への備えを十分に行うことはできませんので、当然そういう値上げが必要になってくるわけです。つまり、新築時のマンションでは管理費と修繕積立金を安く見せるからくりが働いている、ということをまず理解しておく必要があります。そのようなわけで、管理組合ではどこかの時点で、多かれ少なかれ修繕積立金の値上げに着手しなければなりません。その値上げの方法には①均等に値上げをして積み立てていく方式②段階的に値上げをしていく方式③一時金方式①~③の併用プラン。どの方法を採用するかは、それぞれのマンションの規模や管理組合の方針などで決まってくると思いますが、きちんと理解していただきたいのは、修繕積立金は「貯金」であるということです。工事や設備更新などを見据えて、長期間にわたって「積立」をしていくものですので、大切なことは、その時までに、必要な金額が積み立てられることです。そのためには、毎月の修繕積立金を適正な金額で設定することが求められます。