大型マンションやタワーマンションにおいて、管理組合や理事会の役割は極めて重要ですが、その運営や活動は非常に複雑で、何かを決めようとしても、一筋縄ではいかないのが実態です。
毎年の総会が粉砕するケースも多く見かけます。
第一の問題は、まず理事の数が多すぎる点です。理事が20人を超えているような理事会も珍しくないですが、そんな大人数では意見をまとめることなど、できるはずがありません。
そこで、事前に三役会などを開催し、幹部の間で一定の方針を決めてから一般の理事に諮る、というやり方を採用しているマンションも多くあります。通常の理事会よりも手間が増えるので、特に幹部になった
人たちは大きな負担を感じることでしょう。
経験上、意見がまとまりやすいのは10人以下の人数で、それなら会議を行っても有意義な話し合いになると思います。ところが20人も理事がいると、せいぜい何かを報告する程度で、処理すべき課題も多い
のに何も決められないという理事会になりがちです。
こんな状態の理事会では、「骨抜きな理事会」と同じです。そしてこの「骨抜きな理事会」を歓迎しているのが管理会社です。何の意見もまとまらない、何も決められない、という理事会は、管理会社にしてみれば卸しやすい相手だからです。
第二の問題として、大型マンションやタワーマンションには、区分所有者の数が多いために、問題児やクレーマーがたくさんいる可能性も挙げられます。この問題にも理事会は苦労させられることになります。