まず、理事の人選から不利になっているといえるでしょう。管理会社にとっては好都合にできているのです。一般的に、マンションの理事会は「初めて理事になった」というような人ばかりで構成され、理事長や各担当理事はどのように決められているかというと、輪番制で選ばれた理事が一堂に会し、互選でまず理事長が選ばれます。互選と言っても、実際の方法はあみだくじかじゃんけんです。あみだくじの場合は「はずれ」を引いた人が、じゃんけんならば負けた人が理事長になります。仮に私がじゃんけんで負けて理事長になったとすれば、一言「しまった」と漏らしてしまうでしょう。仕事も忙しいし、子供の送り迎えもあるし、女房にも怒られるだろうし・・・などということが頭をよぎります。しかも、いざ理事長になってみても、何をどうしたらいいかがわかりません。そもそも管理組合とは何なのか、理事会は何をやるべき組織なのか、管理会社には年間数百万円以上支払っているものの、何を委託しているのか、そんなことも全く理解していない状態で、じゃんけんに負けたというだけで、数十~数百世帯もの人が暮らすマンションの代表者になるのです。そんな大事な理事長になったところで、マンション管理については全くの素人ですし、しかも、じゃんけんに負けた「やる気の無い」代表者なわけです。これは理事長に限らず、副理事長や会計、監事、各担当役員すべてに言えることです。