実際に工事が始まると、住民対応能力が求めらえます。大規模修繕工事は、多くの居住者が日常生活を送りながら進めることになるからです。居住者からはさまざまな要求やクレーム、質問が寄せられます。「工事中にエアコンは使えるのか?」「明日はベランダに洗濯物を干してもいいのか?」「ベランダに置いてある植木鉢はどうしたらいいのか?」「自転車置き場が工事中で自転車が置けないじゃないか」「子供のジャンパーにペンキがついてしまったが、どうしてくれるのか」などなど、居住者には様々な不安や不満が募ってくるものです。その際に必要なのは、技術やエンジニアリングよりも、そうした居住者の不安や不満を事前に察知するいわゆる「空気を読む力」や、不安や不満が募る前に、居住者たたちに工事についての広報や案内をする「説明力」といった能力なのです。