大規模修繕工事は、居住者が建物内で生活している状態で行います。工事のための引っ越しなどの手間がかからない半面、工事期間中は居住者にとって不便なことも出てきます。居住者からの苦情を最小限に抑えるためには、実際に工事を始める前¥二「工事説明会」を行うのが有効です。説明会では、工事の内容や範囲、おおよそのスケジュール、施工会社の管理体制などに加え、工事中に想定される居住者の生活への影響や注意点、協力してほしいことなども具体的に伝えておきましょう。工事への理解を深めることは、居住者一人一人の当事者意識を高めることにつながり、工事への不満を減らすのに役立ちます。事前に工事説明会を行っても、実際に工事が始まると、居住者からの不満や意見が出てくるのが普通です。でも、工事計画全体を把握していない現場の作業員に苦情を言うのは、トラブルのもと。苦情の窓口は管理組合などに一本化し、説明会の際に居住者に確実に伝えておきましょう。掲示板などを利用して、工事の進み具合や予定をこまめに知らせることも苦情を減らすのに役立ちます。又、大規模な工事は周囲にも影響を及ぼすため、工事が始まる前に、管理組合の代表者が近隣に挨拶を。迷惑をかけることについてのお詫びに加え、工事の概要やおおよその期間、予想される生活への影響など、きちんと伝えておきましょう。