大規模修繕工事の相談を受けてお伺いした管理組合で、私が「まだまだ工事をやる必要はありませんね。こことここを補修して、あとは3~5年後にしましょう」と提案すると、大抵は面食らった顔で、「そんなことを言われたのは初めてです。工事延長の提案なんて、これまで誰もしてくれませんでしたし、それによって長期修繕計画表上のコストが大きく変わるなんてことも、思いもよりませんでした」などと言われます。長期修繕計画表で、コストの大きな削減につながるのは「工事周期です」大規模修繕工事を12年で計画した場合、工事の実施は12年後、24年後、36年後、となります。これを例えば15年周期にすると、工事の実施は、15年後、30年後、45年後、となります。この3~5年への、延長が、工事全体のコストに大きな影響を与えるのです。実際私が関与したマンションでは、大体平均で15年くらいの周期になっています。中には、18年目に大規模修繕工事を実施したマンションや、築12年で計画されていた大規模修繕工事の計画を4年間凍結して、16年目に先延ばししているマンションも複数あります。いづれのマンションでも12年周期より長くしたからと言って、特に問題はありません。