大規模修繕工事には、大きく分けて2つの発注方式があります。1つが「責任施工方式」。工事計画の設計から施工、監理をすべて一つの会社に委託するものです。委託先としては、管理会社や建設会社などが考えられます。2つめが「設計監理方式」。工事計画の設計・監理を行う仕事と施工を切り離し、それぞれ別の会社に委託するものです。施工は建設会社に委託することになりますが、設計監理の委託先には、施工会社とは別の建設会社のほか、管理会社、設計事務所、などが考えられます。設計監理方式で工事を発注する場合、設計・管理者は管理組合のコンサルタントのような役割を果たすことになります。委託先を選ぶ際のポイントは、大規模修繕工事の経験が豊富で、工事に関する技術や知識を持っていること、管理組合の役割を正しく理解していること、委託費用の内訳などが明確であること、工事計画の設計から完了検査まで付き合っていくことになる為、専門知識を持たない相手ともコミュニケーションが取れる能力も必要です。また、委託後、設計・監理者に仕事を任せっきりにしないことも大切。工事の責任者はあくまでも管理組合です。こまめに報告や相談ができる関係を作り、設計・監理者と管理組合が連携して工事を進めて行くのが理想です。