建物は、時間とともに劣化していきます。マンションの場合、外壁のひび割れや、鉄の部分のさびなどに加え、各種設備の不良具合などが主な劣化のサイン。マンションを良い状態で維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。ただし、建物全体に関わる工事や修繕には居住者の同意が必要なうえ、高額の費用が掛かる為、緊急に行うのは難しいのがほとんどです。そのため、前もって準備しておく必要があるのが、「長期修繕計画」20~30年先まで、マンションの共用部分に必要な修繕工事の時期や内容を予想し、それに見合った資金計画を定めたものです。建物や設備の劣化のスピードは、施工方法や周囲の環境、日常の管理などに左右されます。長期修繕計画は、あくまで、「一般的にこの程度」という情報をベースに作ったもの、5年おきぐらいで計画を見直し、それぞれのマンションの実情に合わせて修正・変更を加えていく必要があります。長期修繕計画を見直すには、劣化状況のチェックはもちろん、施工技術の進歩や、それに伴う費用の違いなども確認します。又、居住者の年齢層の変化に応じたバリアフリー対策や、建物・設備をグレードアップする改修工事の必要性についても、検討しましょう。