管理会社と契約している管理組合の多くが、管理業務のすべてを委託する「全面委託」方式をとっています。全面委託によって管理組合の負担は少なくなりますが、その分、管理費は高くなりがちです。全面委託方式が割高になるのは、管理会社への手数料などが管理費に含まれてくるためです。業務を受託した管理会社は、管理組合に代わって事務管理業務、管理員業務、清掃業務、建物・設備管理業務などを行います。事務管理や管理員業務は管理会社の社員や契約スタッフが行うことが可能。でも機械を使って行う大掛かりな清掃や本格的な設備点検などには専門的な知識や技術が必要です。そのため、管理会社からそれぞれの専門業者に、実際の業務を発注することになります。多くの場合こうした再委託が必要な業務に掛かる費用として見積もられる金額には、管理会社への手数料が含まれています。又、再委託する場合の業者選びは、管理会社に任されているのが普通です。本来ならば数社に見積もりを出させるなどして、安くてよい仕事をする業者を選ぶべき。でも、管理会社によっては十分に比較検討せず、同じ系列に属している業者に優先的に発注してしまうこともあるのです。