エレベータのメンテナンスには「法定点検」と「保守点検」の2種類があります。そのうち法定点検は、エレベータの所有者は年に一度、専門資格者による検査を受け、その結果を自治体に報告することが義務付けられています。一方、保守点検は任意で行われるものです。それに基づいて、日本建築設備・昇降機センターが「昇降機の維持及び運行の管理に関する指針」を発表しています。その中には、「所有者は、昇降機の維持及び運行の安全を確保するため、使用頻度に応じて専門技術者に、おおむね1か月以内ごとに、点検その他必要な整備又は補修を行わせるものとする」と明記されているため、それに従って、まだ多くのマンションでは年に1回の法定点検と月1回の保守点検を行っている管理組合もあります。エレベータより死亡事故の発生率が高い車やバイクの定期点検でさえ、1年に一度、あるいは2年に一度という頻度ですが、エレベータのような安全性の高い乗り物に、果たして毎月の保守点検は必要なのでしょうか?保守業者が「自分たちの利益を増やすために、保守点検の必要性をうたって、こんな過剰な基準を作ったのではないか?」私にはどうしてもそう思えてなりません。保守点検が必要が無いというつもりはありません。ただ年4回くらいで十分だと思います。