うちのマンションの管理員が「良い・悪い」「あたり・はずれ」といった住民の声はよく聞きます。管理員も他の職業と同様に良く働く人、よく気が付く人もいるし、そうでない人もいるでしょう。「あたり・はずれ」というのは正直な感想でしょうが、非が管理員に無いことも少なくありません。住民が管理員の仕事の範囲を良く理解できずに、一方的に「不親切」と思い込んでしまうケースです。管理員は自分の意思で日々の仕事をこなしているのではなく、管理組合と管理会社の間で交わされた「管理委託契約書」に基づいて業務を遂行しています。管理委託契約書以外の仕事は、原則的には行う必要がありません。例えば、「駐車場から車を出すとき、後ろを見て欲しい」と頼まれても、契約以外の手伝いですから、管理員は応じないのが普通です。管理委託契約書以外の業務はする必要が無い、と同時に管理員が立ち入ってはいけないこともあります。隣同士のトラブルなどは、管理員が仲裁するのは越権行為です。クレームが届いたら、理事会に報告し、理事会で判断してもらうのがルールです。このように「管理員がしてはいけない親切」もあるので、役に立ってくれないと「はずれ」と決めつけるのは気の毒です。