浄土宗の法然は、念仏さえ唱えれば救われるとする、「専修念仏」を提唱して仏教に革命をおこした名僧です。その謙虚で平易な教えは、民衆から熱狂的に受け入れられました。その法然の言葉とリンクするような調査を昔、ある経営コンサルタントが行いました。100人のビジネスマンに、「皆さんは、自分の夢や願望の実現の可能性は、どれくらいあると思いますか?」と尋ねたのです。すると70人以上の人が、「可能性は低いと思う」と答えました。そこで、「それはなぜですか?」と理由を尋ねると、大半の人が「自分の力量、才能では実現できそうにない」という答えを返してきました。一言で言ってしまうと、やる前から「無理」と決めつけているのです。これは、子供のころ、両親や学校の先生から、「世の中は、あなたが考えているほど甘くない」「お前の考えは間違っている」と言われ続けたことに関係していると思います。それがマイナスの暗示になって、何事も否定的に考える癖がついてしまっているのです。その呪縛から自分を解き放つ必要があります。やらないからできないのです。やれば、できるかもしれません。そういう可能性を自分は無限に秘めていると考えれば、法然の言う「わかっているようで、自分の心が把握できてない」状態から脱出し、前途が黄金色に輝くようになります。