平成25年度の国土交通省の調査では、マンションに住む40代以下の世帯主は減少傾向にある一方、60歳代以上の世帯主の割合は増加傾向にあり、平成25年度では半数になり、高齢傾向が顕著になっています。居住者の高齢化に伴い、永住意識も強まっており、平成25年度の調査では、約半数の区分所有者が、今のマンションんを終の棲家と考えているという結果が出ています。永住希望者が多くなるに従い、なるべく長期にわたって住み続けられるように、長期修繕計画表を見直す必要があります。階段に手すりをつける、エントランスにスロープを付ける、転倒の危険のある場所の照明を変える、など、バリアフリーに配慮した環境づくりはこれからのマンションには欠かせないテーマです。こうしたハード面だけではなく、ソフト面でも高齢者をサポートする方法はあります。例えば、高齢者のボランティア活動をするグループに集会室を開放したりして、管理組合全体で支援する方法も有効です。様々な活動から世代を超えた交流が生まれれば、高齢者の孤立を防ぐとともに、助け合いの気風も生まれます。年齢や立場の違う人が、協同で対処できる、マンションという共同住宅のメリットを活かせば、多くの人がより安心できる暮らしを送れるようになるでしょう。