一遍は特定の寺にとどまって暮らすことなく、弟子と全国各地を巡り歩いた鎌倉時代の名僧です。遊行上人とも、妻子も子も捨てたので、捨て聖とも呼ばれていました。その一遍が言う「一心不乱」とは、心を乱したり、あれこれ戸惑ったりすることなく、一点に集中することを言います。一遍は、力を一点に集めることによって、はじめて願望もかなうようになるというメッセージを投げかけているのです。例えば、「税理士の資格を取りたい。司法書士の資格も欲しい」では、勉強が中途半端になってしまいます。これに「スキューバ―ダイビングのライセンスを取って沖縄の海を潜ってみたい」という願望まで加わったらどうなるのでしょう。そちらの方に意識が向いてしまうため、勉強に身が入らなくなります。そこで、お勧めするのが、順位をつけることです。まず、願望を書き出していき、その中から、「自分が一番に臨むこと」「二番目に望むこと」「三番目に望むこと」と優先順位つけていくのです。そして、一番に望むことを当面の願望として掲げるのです。そうすれば、その願望の実現に向けて集中ができるようになります。