区分所有者の中には、管理組合の活動に対して多くの無関心層が存在します。どのマンションにおいても、理事会で度々議論されるほど、無関心層は理事会が抱える悩みごとのトップにランキングされる問題です。それまでずーと管理組合の活動や理事会に無関心で、総会に出席したことが無く、いつも白紙委任状ばかり提出していた人が、輪番制で理事のお役が回ってきた途端に、この無関心層の問題に頭を悩ませながら、議論を重ねている、という笑えないありさまになっているのです。こうした無関心層の区分所有者のことを「サイレントマジョリティー」と呼びます。サイレントマジョリティーとは、アメリカの大統領リチャードニクソンが演説で用いたのが始まりで、「発言はしないが、現体制を指示している多数派」というニュアンスで用いられるようになったといわれています。マンション管理におけるサイレントマジョリティーは大きく分けて、マンション管理には全く無関心という人たちと、関心はあるけど意見は言わないという2種類がいます。関心のあるなしにかかわらず、サイレントマジョリティーはクレームを言うわけでもなく。人畜無害の存在と言えます。ところが区分所有者の8~9割を占めるにもかかわらず、サイレントマジョリティーは総会や説明会などへの積極的な参加が望めず、出席率の低下にもつながりますので、理事会側から見ると大きな悩みの種になるわけです。