管理会社から管理費を滞納する区分所有者の個人情報が報告されたり、住民からは個人的な名前をあげて苦情が寄せられたり、理事会にはマンション内の様々な個人情報が集まります。その都度理事会で検討しますが、その内容を公表するときは慎重に行わなくてはいけません。議事録は原則、公表するものです。例えば「702号室の鈴木さんはいつもゴミを分別せず出している」という組合員のクレームがあった時、そのまま議事録に残して公開したら、「702号室の鈴木さん」は集中砲火を浴びてしまいます。そもそもクレームが事実かどうかわかりません。理事会では実名で話しあっても、書類に残すときは、クレームを言ってきた住民も鈴木さんも、名前を伏せるのが当然です。部屋番号など本人が特定できる情報も公開してはいけません。議事録の閲覧はマンション内に限定されますが、最近増えているマンションのホームページは、誰でも見ることができます。個人名をあげて避難する記事を載せたり、中傷記事を掲載したら、名誉を著しく棄損することになり、最悪、訴えられかねません。中傷記事でなくても、リホームの実績などを公開すると、工事業者の格好の情報源になります。さらに、振り込め詐欺などの対象にもなりかねないので、個人情報の流失には十分気をつけましょう。