新任理事は就任早々いきなり業務を開始しなければなりません。前期の理事は総会が終わればお役御免となり、引継ぎもそこそこにフェードアウトモードになってしまいますので、新任理事は何をどうしたらいいか、さっぱりわからない状態に置かれます。本来なら管理会社が、新任理事たちにオリエンテーションを行ったり、注意事項を伝達するなど、新しい理事会をサポートしてくれてもいいようなものですが、管理会社が自主的にそうなことをしてくれたためしはありません。なぜなら、管理会社にしてみれば、このような状態の理事会は好都合な存在だからです。何もわからない理事たちはコントロールしやすく、たとえ前期に積み残した課題があっても、それらをうやむやにして、場合によっては管理会社の都合のいい状態に持っていくことも可能です。そこで、管理会社の思いどうりにならない為にも、新しい理事会が立ち上がったら、まず管理会社にオリエンテーションをリクエストすることをお勧めします。フロント担当者に、管理組合や理事会の役割、総会とは何か、管理会社に何を業務委託しているか、これまでの理事会はどういう運営方法をとっていたのか、現在検討中の課題にはどんなことがあるのかなど、マンション管理で使われる用語も含めて、細かく説明してもらうのです。