鑑真はもともと、唐の大明寺というお寺の住職でした。そして鑑真のもとに二人の日本の留学僧が訪ねてきて、律宗(仏教の一宗派)を日本に広めてもらえないだろうかとお願いをしました。鑑真は快諾し、日本へ渡る決意をしたのですが、実現に至るまで苦難の連続でした。当時、唐では出国が禁止されていました。そのため、密告によって、役人に監禁されたりしました。運よく出国できても、大嵐で船が沈没してしまうなどして、日本への渡航はことごとく失敗に終わってしまいました。普通でしたら、この時点で目標達成を断念してもおかしくはありません。しかし、鑑真は違いました。「律宗」を広めるために、どうしても日本に行く」というゆるぎない信念を持ち続け、そのあとも日本への渡航を試みました。そして、6度目にして、ようやく日本に上陸することに成功するのです。この話で分かるように、「これは」というものを成し遂げようとするときは、揺るぎない信念をもって命がけでもやることも、時には重要になってくるのです。