大規模修繕工事を食い物にする談合やリベートは確実に存在しています。しかし、その確たる証拠をつかむのは非常に難しいことです。工事業者からの「タレコミ」や自白が無い限り、不可能だといっても良いでしょう。最近、身内の不正を暴く、「内部告発」も珍しいことではなくなってきました。談合やリベートは管理組合に対する背任行為ですから、この悪事を内部から告発してやろうという動きがあっても良さそうなのですが、残念なことに関係者はなかなか口を割りません。前にも説明しましたが、大規模修繕工事における談合やリベートは、法律的には犯罪ではありません。法的に問題がない以上、やっている当事者たちは「悪いことだ」という認識が無く、どこも当たり前にやっていることだから、「うちもやって当然」とさえ思っているくらいです。業界全体がそんな認識なのですから、もし関係者のうち誰かが正義感に燃えて談合とリベートの事実を告発しようものならば、数日のうちにその噂が流れて、その人物と、その会社は業界から完全に仕事を干されてしまうでしょう。勇気を出して告発しても、英雄視されるどころか、職を失うことになり、メリットは何もないのです。