沢庵にまつわるエピソードをもう一つ紹介しましょう。沢庵のもとに、いつも取れたての大根をお布施変わりに持ってくる農民がいました。「あの男が届けtくれる大根は非常においしい。どこかでお礼をしなければ」そう思った沢庵は、幕府の役人からもらったお酒を渡すことにしました。ところが、農民は「私はお酒が飲めませんので」と受け取るのを拒否しました。すると沢庵はこう言ったのです。「お酒というものは、飲むためだけにあるのではない。けがをしたときは良い消毒薬となる。家に置いていくと、何かと重宝するものだ」農民は「なるほど」とうなずき、喜んで、お酒をもって帰ったといいます。この話を通して言いたいのは、レッテルをはがして物事を見ると、新たな発見ができるということです。空のペットボトルは決して不要ではありません。お湯を入れると、湯たんぽ代わりになります。ライターも同じで、喫煙者だけのグッズとは限りません。停電時にはちょっとした懐中電灯代わりになります。何事も多角的に見る、癖をつけておけば、成功をになう素晴らしいアイデアがわいてくるものです。