「公募で見積もり参加条件をつける」という行為だけで、談合やリベートを疑うのは早合点ではないか、という指摘もあります。実際、談合のやり口は巧妙ですので、談合を行っている確たる証拠もなければ推測でしかありません。ただ証拠がないだけで談合の実態は確実にあるのです。彼らが談合しているらしいことは、見積もり参加条件を外させようとするとわかります。設計事務所の担当者に、「たくさんの工事業者の見積もり書が見たいので、公募の際、見積もり参加条件を外してください。」と言ってみると、「そんなことをして100社も見積もりを出して来たらどうするんですか?」などと言って、絶対に外そうとはしません。設計事務所にしてみれば、リベートを受け取れない業者に決まってしまうと一大事ですから、どうあっても見積もり参加条件に固執するのです。本来、見積もり参加時に工事業者を選別する必要はありません。①見積もり参加業者の選考②見積書の開封③ヒアリング参加業者の選考④理事会/総会での決定、というように、いくつものフィルターを掛けながら、最終的に1社に絞り込んでいくので、何も最初から条件をつけて選別する必要はないのです。もし、管理組合が本当に「資本金1億以上」の業者がいいのであれば、見積書を選考する段階で絞りこんでいけば済む話です。