カナダのあるジャーナリストが、アメリカ全土で活躍する千人のトップセールスマンに、「あなたは、初めからトップセールスマンになれる自信がありましたか」と質問をしたことがありました。すると、8割以上の人が「そんなこと考えてもいなかった」という返答を寄せてきました。それどころか、「この仕事は自分に向いていないような気がする」という返答を寄せてきました。中には、セールスの仕事が嫌でストレスがたまり、自律神経失調症にまでなった人までいたと、言います。つまり、初めから仕事ができた人は、ほとんどいなかったのです。道元の言葉を借りて言えば、出発した時はみんな凡人だったのです。ただ凡人が凡人で終わらなかったのは、エキスパートになれるように、人一倍努力をしたからこそです。「あの人はいいな」とうらやむ暇があったら、今やるべき仕事に一生懸命取り組むことが重要になってきます。一つのことを継続すれば、いつの日か、凡人ではなくなり、その道のエキスパートと呼ばれる日が必ずやってくるようになります。生き方はそうした過程によって変わるものなのです。