マンションの区分所有者の方が、自分のマンションの一室が売りに出されたことを知った場合、何平米の物件がいくらで売れたのか、ということにとても敏感に反応します。自分の家がどれくらいの価値があって、いくらで取引されているか、という点が非常に気になるわけですね。それでは売買価格はどのように決定されるのでしょうか。それはマンションの需給のバランスによって決まってきます。供給よりも需要が多ければ、値段は上昇します。反対に供給よりも需要が少なければ、価格は下落していきます。これが中古マンションのマーケットの姿です。そして、余剰住宅が増えるということは、当然供給よりも需要の方が減っていくことになるわけで、これから10~20年で、需給のバランスが大きく崩れてくることは目に見えてきます。今後、一部の限られた地域を除いて、中古マンションが供給過多になることは紛れもない事実なのです。欧米では中古住宅の流通は盛んですが、残念ながら日本はそうではありません。何かを購入する場合、ほとんどの方は新品を選びます。そのように「中古」よりも「新品」を重視するカルチャーを持つ日本では、中古マンションにおいて、資産価値 を落とさずに守り続けていくことがかなり難しい環境だということを認識する必要があるのです。