大規模修繕工事ではいくつかの発注方式を選択する必要があります。「責任施工方式」と「設計監理方式」があります。管理会社におんぶにだっこで発注したいのであれば、「責任施工方式」がお勧めです。しかしこの方式では競争原理を働かせることができません。一方「設計監理方式」は、管理会社にすべてを丸投げして任せっきりにすることはできませんが、競争原理を働かせることができます。近頃では競争原理の働いていない大規模修繕工事に対して「NO」を唱える管理組合が増えてきており、「設計監理方式」に注目が集まっています。「責任施工方式」でも競争原理が働いているような見積もりもありますが、「5000万円の工事には防水が入っていない」「7000万円の工事には防水が入っている」というように、中身が違うケースが少なくありません。車で言えばプリウスとベンツを比べているようなものです。発注方式を選択するにあたっては、こうした具体例なども交えて、それぞれのメリット、デメリットを検討し、区分所有者にしっかり説明し理解を求めることが不可欠です。これまでの経験上、説明を怠ると理事会や総会の場で粉砕してしまいます。