マンション火災保険に、「付録」のようにくっついてくることの多いこの保険には、どんな役割があるのか詳しい方はあまりいらっしゃらないと思います。これは、例えば、専有部分であるマンションの部屋で、居住者の不注意で漏水事故が発生し、階下の専有部分に被害が及んでしまう場合の補償を想定しています。この場合、起因者が自らの責任において補償額を負担すれば済む話なのですが、専有部分の保険に加入していない場合には、多額の補償をできないこともあり得ます。こうした場合に、管理組合で居住者賠償保険を付保しておけば、この居住者賠償保険で被害者を救済できるのです。また、管理組合として個人賠償保険に加入しても、あるいはその保険金額を多少高く設定しても、それほど保険料自体に大きく影響しません。基本的には居住者自身が各自専有部分に付保しているという前提で、管理組合がこれを補完することで万全な対策になると考えればよいでしょう。