Q  専有部分の扉を開けたまま大声で怒鳴ったり、床を踏み鳴らし、壁を叩くなどの騒音行為をやめさせることはできますか?

A  マンション内の騒音に関する紛争は、通常、騒音の発生源になる住民と、それに対して被害を訴える区分所有者や賃借人などの占有者である住民との間(個人)同士の問題として取り上げられます。裁判例は、このような事件について判断するにあたっては、受忍限度論を採用しています。受忍限度論とは、騒音が違法な権利侵害、または法益侵害に当たるかどうかは、侵害が受忍限度を超えているかどうかによって判断される、というものです。この騒音が受忍限度を超えるものであると判断されると、被害者である区分所有者は、騒音の発生源となる区分所有者や占有者に対し、不法行為に基づく損害賠償請求、もしくは人格権や専有部分の所有権の内容としての妨害排除請求権に基づく差し止め請求が可能となります。