Q ある区分所有者が、理事である特定の個人を誹謗中傷する内容の文章を、マンション各戸に配布しています。また、それだけにとどまらず、管理組合の取引先に対しても妨害行為をしています。このような場合、共同利益背反行為にあたるとして、各迷惑行為の停止を求めることは可能でしょうか。

A 原則として、名誉棄損は、管理組合の問題ではなく、区分所有者間の問題であり、マンション管理に関する問題までとは言えないので、これが直ちに共同利益背反行為ということにはなりません。もっとも、特定の個人を誹謗中傷にとどまらず、管理組合の業務の遂行や運営に支障を生ずるなどとして、マンションの正常な管理又は使用が阻害されると認められる場合には、当該迷惑行為が共同利益背反行為にあたるものとして、管理組合は、その停止を求めることができます。