大規模修繕工事に際して、もう一つ大事なことがあります。それは、資金調達の問題です。将来の大規模修繕工事に向けて、各区分所有者は毎月修繕積立金を収めています。この修繕積立金は、25年以上の長期修繕計画に基づき設定されていることが望ましいのですが、残念ながら、それを満たしている管理組合は37%です。ではなぜ区分所有者は、自分の資産であるマンション管理に関して、これほど無関心なのでしょうか?これはあくまで私見ですが、戸建てと比較してみるとわかりやすいです。戸建ての管理は何かと面倒です。外出時には戸締りのチェックが必要な個所が多いし、庭の手入れも必要です。塗装の塗り替えなど修繕も、全部オーナーである自分が資金繰りを考えながら、実施時期を判断しなければなりません。それに比べマンションは「一見楽」に見えます。何しろ、共用部分は管理会社にお任せでよく、毎月決まった金額が引き落とされるだけです。管理組合活動もだれか「やりたがり屋さん」に理事を任せればいいと考えている方が多いのではないでしょうか。