修繕積立金会計の赤字は意外に気づかないものです。「分譲時に設定された金額を支払っていれば大丈夫なのだろう」と多くの区分所有者が何となく思い込んでいるからです。分譲から10年を過ぎ、そろそろ大規模修繕工事のタイミングという頃になって、管理会社のほうから「このままでは工事費が不足するので、修繕積立金を値上げする必要があります」といった提案が出てきて、驚くことになります。対策としてはまず、修繕積立金の算出するもとになる「長期修繕計画」を精査します。工事項目に不要なものや抜けているものはないか、想定される工事費の単価や数量は妥当かなどをチェックすると、意外に不備が見つかったりします。建築の専門家に頼む必要がありますが、どれくらい修繕積立金が不足する可能性があるのか、根拠をはっきりさせることは重要です。