地震などの災害の際に、安否確認や人命救助を行う時、居住者の名簿や緊急連絡先を把握しておくことは大切です。
例えば、体の不自由な独居の高齢者などがいれば、安否を確認したうえで、救助活動をする必要があります。他にもケガなどで逃げ遅れている居住者を探すにも名簿は役に立ちます。
さらに、マンションが倒壊、一部破損した場合の復旧工事を決議するときも、組合員の連絡先を把握しておかないと工事ができないこともあります。
マンション標準管理規約では入居者名簿などの個人情報について、管理規約に定めがあれば、理事長の責任で作成・保管・閲覧ができるとされています。
しかし、個人情報を公にしたくないと名簿の提出を拒む居住者もいるでしょう。そうした居住者に必要性を理解してもらい、全員の名簿を集めるためには、
「名簿の集め方」「名簿の内容」「管理の仕方」などに考慮しましょう。
先ず、「名簿の集め方」については、回覧や掲示板を活用し、「災害の救助に必要であること」「個人情報は慎重に扱うこと」などを繰り返し案内し、全員の賛同を得ることが大切です。
「名簿の内容」は救助・緊急連絡先を目的とする項目に絞ると賛同が得られやすいでしょう。名簿の管理は管理組合が行いますが、救助・緊急連絡先以外には利用しないことを徹底しましょう。