理事の任期が1年の場合、1年を4分割して考えると、第一クウォーターは「嫌だなあ、面倒だなあ」とため息ばかりで、何をしていい解らずに過ぎていきます。第二クウォーターになると、理事会も数回経験して、過去の議事録を読んでみたり、インターネットで検索してみたりと、少しやり方がわかってきます。第三クウォーターになると、理事同士の名前と顔が一致して、まともな議論も少しはできるようになり、「あの問題はどうする?」とか「管理会社のフロントは・・・」などと言う会話もできるようになってきます。この頃には、理事会にまとまりが出てきます。そして第四クウォーターで総会の準備に入ると、もうフェードアウトモードに入り始め、次期の理事に任せることばかりを考えるようになる。  こんな1年間の任期だと思います。たいていは1~2年間の輪番制ですから、理事会の運営や議論の仕方がわかってきたところで、引継ぎもそこそこにすぐに次の理事にバトンタッチをする、というのが一般的なスタイルなのです。又、継続性が無く、理事長やメンバー次第で、理事会の方針や運営のしかたなどがコロコロ変わってしまうのも、理事会の特徴です。折角これまでの1年で積み上げてきたことが、次期の理事たちに引き継がれず、水の泡になるということも珍しくありません。いいか、悪いかは別として、総会で決定されたことが実行されないということもあるくらいです。つまり、理事会はその仕組み上、とても脆弱な組織で、時間のかかるイベントや継続性が求められることに対しては、力を発揮しにくいという特徴があります。