マンションの修繕工事を効率よく行うためには、タイミングを見極めることが大切。修繕箇所や内容にもよりますが、劣化が本格的に進んでから修繕するより、初期段階で予防的な工事を行うほうが、時間も費用も節約できることが多いからです。長期修繕計画の見直しを適切に行うためにも、日ごろから建物や設備の状態を把握しておくことが大切。目視などによる点検をこまめに行い、劣化のサインを見逃さないようにしましょう。建物の日常点検は、「手すりや階段などの鉄部」「外壁」「屋上」の3か所を中心に行います。鉄部は、建物で最も劣化が早い部分。塗装の変色やはがれ、さびなどの有無を確認します。外壁は汚れやひび割れ、塗装の剥がれなどをチェック。壁面だけでなく、屋上に面した通路などの天井の状態も見ておきましょう。屋上は、劣化が進むと、水漏れなどを引き起こすことがあるので、点検は念入りに。ひびや塗装の剥がれは無いか、雑草が生えていないか、などに注意します。設備については、特別な知識が無くてもわかる、「目に見える異常」が無いかどうかを確認します。電気設備にさびや破損が無いか、水道の水が濁ったり排水が詰まりやすかったりしないか、などに注意しましょう。設備の劣化の状態をきちんと把握したい場合は、居住者アンケートを行いましょう。