千利休にまつわる、こんなエピソードがあります。ある時、一人の大名が利休に、「明日前田利家様と徳川家康をおもてなしするので、同席するように)と言いました。翌日、その大名が茶会に同席したところ、利家と家康のお茶菓子が別々に用意されていることに気づきました。利家には甘い饅頭で、家康には塩豆。お茶が終わった後、利休はこの大名にこう言いました。「利家様は甘いものがお好き、家康様は甘いものが苦手です。このように相手の立場に立って物事を考え、「相手は、こうしてもらえると嬉しい」ということに敏感になるのが、簡単そうに見えて、実はおもてなしの極意なのです」中国・古代の思想家・孔子は「人間は常に相手の立場に立ち、相手の気持ちを思いやることこそが重要です」と述べました。