空也にまつわるエピソードを紹介しましょう。ある時、一人の若者が空也は普段どんな修行をしているのか、あとをついて行って観察したことがありました。その実態を知って、若者はあきれてしまいました。空也は町中に出て庶民とおしゃべりを楽しむ、農民の家にお邪魔をして、果物をご馳走になる。川に出て舟遊びを楽しむ、、、といったように、楽しそうに遊んでいるだけだったのです。「日頃は偉そうに仏の道を説いているくせに、あれは修行なんかではない」そう若者が空也を問い詰めると、空也は次のように答えたのです。「ああやって、いろいろと人と交わると、世の中の動向がつかめ、人生に役に立つ何かが閃いてくる。だからあれは大切な、修行の一つなのだ」確かに、いろいろな場所に足を運べば、新鮮なショックや未知の感動が味わえます。感性が刺激され、探求心、好奇心、想像力などが高まるようになります。さらに、水面下に潜んでいた潜在的な能力が呼び起されます。そして何かが閃き、成功につながる素晴らしいアイデアがわいてくることが多くなるのです。