どんな商売であっても、取引するときは一方の利益が他方の不利益になる利益相反の関係です。分譲マンションの場合、不利益をこうむるのは買主です。売買契約から入居後の住宅管理に至るまで、売主と管理会社が利益を得続ける構造になっているのです。このことは売買契約の書類にも書いてあります。その書類が「重要事項説明書」です。三井不動産を例にとると、「管理形態及び管理委託会社」の欄に「管理組合を設立し、売主が指定した管理会社(売主の子会社)などに委託して管理する。」という内容が書かれているのです。なんということも無さそうな記述ですが、管理会社からすれば「自分たちの契約は、すべて買主の了承を得ている」という根拠になるわけです。つまり、買主である全区分所有者が設立した管理組合は、売主の言われるままに、指定された管理会社と管理委託契約を結んでいるわけです。これが「売主のからくり」です。