Q   管理規約により犬猫の飼育が禁止されているにも関わらず、これに違反して犬猫を飼育する区分所有者に対し、その飼育禁止を求めること、また、同禁止義務の履行状況を確認するために専有部分への立ち入りを求めることはできますか。さらに同禁止義務違反である区分所有者に対し、慰謝料や弁護士費用などの損害賠償請求をすることができますか。

A   原則として、管理組合は当該ペットの飼育禁止を求めることができます。もっとも、多数のペット飼育禁止違反者を放置しながら、一部の者のみを狙い撃ちして飼育禁止を求める等の事情が存在する場合には、権利の濫用と判断され、当該請求は認められないことがあります。専有部分への立ち入りは、区分所有者の私生活上の自由を極度に侵害するものであり、認められません。他の区分所有者による損害賠償請求については、人権侵害が認められる場合には認められる余地があり、管理組合による同請求についても、管理組合に対する不法行為と認められる場合には、その請求が認められる余地があります。