最初の大規模修繕工事を管理会社から提案される時期にあたりますが、実はこのタイミングで、管理会社から修繕積立金の値上げの提案も出てくることが多いのです。他にも鉄部塗装の塗りなおし、給水ポンプのオーバーホールや更新、機械式駐車場の部品交換など、管理会社から様々な見積もりが上がってきます。そこで、これまでマンションのことはほとんど管理会社に任せていた管理組合が、ようやく重たい腰を上げて、いろいろなことを調べだすというわけです。どうしてその時期に修繕積立金の値上げの提案が出されるといえば、このままいけば修繕積立金が足りなくなり、工事が実施できなくなるからです。新築時の修繕積立金は少なく設定されており、購入者に買いやすい印象を与えます。もちろん安い修繕積立金はいずれ立ちいかなくなりますので、あとで修繕積立金の値上げや一時金の支払いが必須になります。そのようにデベロッパーに都合のいいお仕着せの修繕費用計画が提示されているのが、ブラック長期修繕計画表で、そんな長期修繕計画表について、管理組合は新築時からこれまで何の疑問も持ってこなかったわけですが、管理会社から修繕積立金の値上げが提案されて、初めてきちんと長期修繕計画表に向き合うようになります。