日本におけるマンションの区分所有者のほとんどは、極めて常識的だと思っています。その大半がサイレントマジョリティーに該当しますが、声をあげないだけで、マンションの抱える問題や議題について常識的な判断ができる人たちなのです。又、何よりもサイレントマジョリティーは圧倒的な多数派です。ですから、例えばボーカル・マイノリティのせいで総会や説明会が混乱したり、粉砕した場合でも常識で判断できる多数のサイレントマジョリティーが議事の進行を正してくれることでしょう。先にも触れたように、広報や説明を尽くしても、通常はサイレントマジョリティーから目立った反応を期待することはできません。しかし、反応は無くても、理事会が発信する情報は受け止めてくれていると思っていいでしょう。そこで、反応が無いから、無関心だからと決め受けず、きちんとした情報を出し続けて、理事会に対するサイレントマジョリティーのファンを増やすことが大切です。逆に言えば、サイレントマジョリティーから愛想をつかされたり、彼らから反対意見が出るような事態になれば、理事会側が「マイノリティ」になってしまい、ピンチに陥ることになるのです。理事会は常に広報や説明を尽くし、「物言わぬ多数派」を味方につける努力を怠らないようにしましょう。