サイレントマジョリティーの対極にいるのが「ボーカル・マイノリティ」で、どこのマンションでも多かれ少なかれ存在する、いわゆる「問題児」を指します。ボーカル・マイノリティは、総会や理事会、説明会などの場面で、自分の意見やクレームを大声でまくし立てます。しかも長い時間を占有するので、議事の進行に少なからず影響を及ぼします。その言葉どうり、彼らは「マイノリティ」なので数は少ないのですが、声が大きいためについそちらの意見ばかりに気を取られがちになり、ともすると彼らが「マジョリティー」のような錯覚に陥ってしまうこともあります。しかし、民主主義の本来は「多数派の意見を採用する」ことにあります。どんなに小さな集まりでも、反対意見は必ず存在しますので、総会ともなれば「全員一致」の実現はまず、ありえません。理事会としては、それまでに真摯に議論を重ねたうえで議案を上程しているわけですから、あとはある意味「開き直り」の姿勢を貫けばいいと思います。開き直ったからには、常に結果を検証し、間違いがあるならば、起動修正を図ればいいのです。もちろん、反対意見やクレームを発するボーカル・マイノリティへの対策も必要ですが、所詮彼らは少数派です。声が大きいからと言って、その意見に従うことはありません。大切なのはサイレントマジョリティーに対する対策の方なのです。