現在、分譲マンションの大規模修繕工事が実施される平均周期は12年です。これは、国土交通省が長期修繕計画における工事周期のガイドラインを12年と設定したことに起因します。このガイドラインが出される前は、大規模修繕工事の周期は10年ごとに計画されていました。どうして10年という周期になっていたかというと、例えば防水処理の保証が10年で切れるなどと言う観点で設定されていたようです。素人である管理組合は、管理会社から「防水の保証が10年で切れます」とか、「ひび割れが目立ってきたので補修が必要です」などと言われるままに工事を発注させられていました。そうした実態が問題視されたことから、国土交通省が12年というガイドラインを打ち出したと思われます。それをきっかけに、今度はどのマンションでも大規模修繕工事を12年周期で設定することになったのですが、私的には12年周期でも早すぎると思っています。実際、賃貸マンションの場合、大規模修繕工事の周期は20年というデータもあります。さすがに築20年が経過した建物は汚れも目についてきますので、分譲マンションの場合20年間手入れをしないというわけにはいきませんが、建物や設備については、20年経っても壊れたり、故障していたりということを耳にしたことはありません。それを考えても12年周期で大規模修繕工事を実施することは必須ではないことがわかります。