大規模修繕工事の準備として欠かせないのが、建物や設備の劣化診断です。大規模修繕工事は、原則として長期修繕計画に沿って行いますが、計画と実際の建物・設備の状況が違っていることも珍しくありません。スケジュールや費用の無駄を防ぐためには、修繕・改修が本当に必要な部分を見極め、具体的な工法なども想定しておくことが不可欠です。破損や不具合などを早期発見するには、居住者が行う日常点検が役立ちますが、実際に修繕工事を行うには、それだけでは情報不足、建物や設備の劣化には見ただけではわからないものも多いため、専門家による劣化診断を行う必要があります。マンションの劣化診断の依頼先として考えられるのは、マンションの売主にあたる会社や施工会社のほか、設計事務所、など、診断に掛かる費用は、依頼する内容や診断方法、建物の状況などによって異なります。料金設定も様々なので、同じ条件で複数社から見積もりをとってみると良いでしょう。また、劣化診断から実際の施行までを含めて依頼してしまうと、施工による利益を優先して、劣化の度合いを高く見積もられる可能性もあります。劣化の進行度や修繕工事の必要性を客観的に見極めてもらうため、劣化診断は、修繕工事の施工会社とは別のところに依頼するのがお勧めです。