管理組合の会計の特徴は、「管理費」と「修繕積立金」の2本立てで会計を行うことです。「管理費」とはマンションの日常の管理に使われる費用で、共用部分の水道光熱費や諸設備の保守点検費用などです。管理会社に管理を委託している場合は、管理委託費も含まれます。一方、「修繕積立金」は、分譲マンション独自の積立金で、建物の老朽化を防ぐために外壁表面の塗装や防水などの大規模修繕工事を行うための、積立金です。建物の規模にもよりますが、大規模修繕工事は数千万~数億かかることもあり、一度に支払うと負担が大きくなるために、費用を積み立てることを法律で義務付けられています。企業会計と違い、管理組合の会計は基本、納税と関係するものではないので、書式は自由です。ただし、区分所有者の誰もが見てわかるような、明快なものにしなければなりません。「収支計画書」と次期の「事業計画書」「予算案」が3つの重要な書類です。「収支計画書」は発生した費用の金額、内容、支払先、予算との対比などが明記されていることが大事です。「事業計画書」に基づいた「予算案」は、前年度の「収支計画書」と対比させます。前年度に計上されていない項目がある場合や、前年度より、予算がオーバーする見込みなら、理由の説明が必要です。